演奏会の再開
昨日、N響と九響が演奏会を再開した。制約はあるものの、多数の演奏会関連ツイートを見ていて、心が温まってきた。僕自身、5日に読響の演奏会に行ってきたところである。
新型コロナ予防の観点から、オーケストラは、団員同士の距離を保った形で演奏を行っている。編成もこじんまりとした形態が多い。普段の演奏会では、大オーケストラによる迫力満点のプログラムが組まれることが多いが、今は、演奏会のプロに普段はなかなか載らない、メンデルスゾーンの《管楽器のための序曲》、ワーグナーの《ジークフリート牧歌》という名曲が並んでおり、オーケストラの室内楽的な側面、例えば各パート同士の有機的なやり取りを存分に体感するチャンスではないかと感じた。昨夜の熊倉優指揮N響のベートーヴェンの交響曲第1番では、各声部が浮き立ち、しかも小編成な分、パート同士のやり取りがより緊密に行われていたのが一例だと思う。
しかし、僕としては、フル編成のオケがダイナミックに演奏するのをまた聴きたいところだ。今年1月のエッシェンバッハ指揮N響の《復活》のような大規模な編成のプログラムを聴けるのはもう少しあとになりそうだが、まずは演奏会再開を祝して、筆を置こうと思う。
【写真は、7月5日、読響演奏会に出かけた際のもの】